
防汚・消臭機能をはじめ、タンクレスや便器が床から浮いたフロートデザイン、入室すると自動でフタが開く機能性など、トイレの技術革新は目覚ましいものがあります。トイレの水洗化率が94.5%にまで定着した現代では、古くなった便器を交換するタイミングに悩むご家庭もあるでしょう。本記事ではトイレリフォームの費用相場や施工事例について詳しく解説します。トイレの刷新を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
トイレリフォームの重要性とは?
トイレはこまめに掃除したり異常がなかったりしても、毎日使うことから劣化は避けられません。家庭でリフォームを検討するきっかけとなるのは、水が流れないなどの故障や部材の老朽化、悪臭の付着のような切実なものから、便器・便座など機能面の更新、バリアフリー化までさまざまです。
便座だけの交換のように10万円前後でできるもの、内装やレイアウト変更も含んだ100万円を超えるものなど、トイレリフォームは予算に応じた多種多様な選択ができます。便器の寿命も考慮しつつ、インテリアを一新するように前向きにとらえられるのも特徴です。
トイレリフォームの費用相場は?
トイレリフォームの費用は、施工内容や使用する設備によって大きく変わります。便器の交換のみ行う場合と、内装や配管工事を伴う場合とではかかる金額に差が生じます。
便器交換のみの工事でも最新かつ高機能の製品を採用すると、費用は膨らみます。便器交換だけに絞るのか、トイレ内をまるごと一新するのか、優先事項と予算とを照合しながら工事内容を決めましょう。
便器・便座交換のみの費用相場
トイレリフォームで最も手軽な方法は、便器や便座の交換です。洋式から洋式への交換であれば、工事費込みで3万〜30万円程度が相場になります。
TOTO・LIXIL・Panasonicといった主要メーカーの製品は機能やデザインが多様で、幅広い価格帯から選択可能です。最近では節水型やタンクレスが人気を集めています。
節水型の場合、水道代を年間数千円〜1万円単位で抑えられる費用対効果は見逃せません。タンクレスは見た目がすっきりし、掃除のしやすさも魅力ですが、配管の状態によっては追加工事が必要となる点に注意が必要です。
内装リフォームを含む場合の費用相場
トイレの内装も含むリフォームの場合は、便器交換に加えてオプションとして床や壁の張り替えが発生します。使用する素材によって費用が変わり、クッションフロアならプラス約1万〜3万円、フロアタイルやフローリングならプラス約5万〜15万円程度かかります。
壁紙の張り替えはプラス約2万〜8万円ほどが相場で、長期間にわたり清潔な空間を維持できます。とくにトイレは湿気がこもりやすいため、撥水性・防カビ・抗菌仕様の壁材を選ぶことで、カビや汚れの発生を抑えることが可能です。
レイアウト変更や配管工事を伴う場合の費用相場
トイレの位置を変更したり、バリアフリー化を図ったりする場合は、大がかりな工事が必要です。レイアウト変更を伴うと床下の配管を移動するため、住まいの状況次第で総額約40万円以上の費用がかかります。
マンションでは配管の制約が多いため、移動範囲が限られることを想定しておきましょう。バリアフリーリフォームとして手すりの設置や床の段差を解消する場合は、追加で約1万〜30万円ほどの予算を見込む必要があります。
補助金・助成金の活用方法
トイレのリフォームは、自治体の補助金や助成金を活用できるケースがあります。とくにバリアフリー化や節水型トイレに改修する際は、補助対象になるかどうかチェックしましょう。
たとえば、高齢者向けの住宅改修補助制度では最大20万円程度の補助が受けられることがあります。各自治体によって支援内容が異なるため、事前に確認することが大切です。
トイレリフォームの費用は施工内容や選ぶ設備によって大きく異なります。自分が希望するリフォーム内容に応じて相場を把握し、助成金も最大限に活用して適切な予算を組むことが、納得のリフォームを実現するための第一歩です。
施工事例から学ぶトイレリフォームの成功ポイント
トイレリフォームを依頼する際には、実際の施工事例も参考にしましょう。どのようなリフォームが可能なのか、どの程度の予算で理想の空間が実現できるのかを知ることで、最良の選択ができます。
施工会社は、ホームページなどでトイレリフォームのビフォーアフターを掲載していることがほとんどです。施工後にイメージと違っていたというトラブルを防止する意味でも、事例は必ずチェックしておきましょう。
快適性を重視した中価格帯のリフォーム(10万~50万円の事例)
比較的手ごろな価格で行うリフォームでは、便器や便座の交換や内装の簡易変更が中心になります。
クッションフロアの張り替えや壁紙を変更することで、従来の印象を一新することも可能です。予算に余裕があるなら、便器交換に加えて床や壁の素材をアップグレードすることで、より快適な空間が実現できます。
TOTO「ピュアレストQR」やLIXIL「アメージュZ」などのエコタイプ型は、少ない水量で効率的に洗浄できるのが特徴です。従来型の機種を最新の節水型に交換するだけでも、水道代を大幅に削減できます。
たとえば、節水効果をもたらすタンクレストイレのメリットは空間のスリム化だけではありません。水道直結式のため、タンクに水をためることなく連続して水を流せるので、家族がトイレを立て続けに使う朝の忙しい時間帯などに便利さを実感できるはずです。
高価格帯のこだわりリフォーム(50万円以上の事例)
デザインや機能性にこだわるとリフォーム費用はかさみますが、その分レイアウトやインテリアの大胆な変更が可能です。
収納や手洗いカウンターを新設することで、掃除用具やトイレットペーパーをすっきりと収納でき、衛生的でスタイリッシュな空間が生まれます。高級感のあるタイルや間接照明を取り入れることで、ホテルライクな居室に仕上げることも可能です。
50万円以上の予算であればバリアフリーにも対応できます。扉部分の段差除去、引き戸への変更や手すりの設置などで介護する側・される側双方の負担が軽くなるなど、メリットは計り知れません。
リフォーム後の満足度を左右するポイント
トイレリフォームの成功には、デザインと実用性の両方を考慮することが重要です。家族構成やライフスタイルに合った設備を選ぶことで、より快適に使用できるようになります。
高齢者がいる家庭では手すりを設置したり、クッションフロアやコルクなど滑りにくい床材に張り替えたりすることで安全性が向上します。トイレの使用頻度が多い家庭では、耐久性の高い素材を採用することで長期間メンテナンスの手間を減らせます。
機種の選定もしっかり吟味しましょう。TOTOのネオレストシリーズやLIXILのサティスシリーズは、高機能なタンクレストイレとして人気があり、30万円台からの幅広い価格帯もポイントです。
10万円前後で購入可能なモデルもあります。Panasonicの「NewアラウーノV」は節電機能付き暖房便座や水アカに強い耐久素材便器といった、シンプルな機能に特化しているため安価なリフォームが可能です。
このように、トイレリフォームは予算に応じてさまざまな選択肢があります。施工事例を参考にしながら必要な機能やデザインを見極めて、満足度の高い生活空間にリフレッシュしましょう。
まとめ
トイレリフォームは費用相場を把握し、希望する内容に適したプランを選ぶことが重要です。リフォームの目的や予算によって、選択肢は大きく変わります。便器の交換だけで済ませるのか、内装やレイアウト変更まで行うかによって、費用や工事の規模・期間まで影響をおよぼすことには注意が必要です。業者の選定もリフォームの成否を分けます。相見積もりを取ることで、適正価格かどうかをリサーチし、施工内容の違いを比較することが肝心です。極端に安い見積もりには要注意で、追加費用が発生するケースも少なくありません。依頼前に業者の実績や口コミ、施工後のアフターサポートや保証内容を入念に確かめておくことで万一のトラブルにも対応しやすくなります。トイレリフォームは、単なる設備更新だけではなく、生活の質を向上させるための重要な投資です。予算と施工内容を照合しながら、リフォームを大成功させましょう。